2017/10/20

EDと戦争

■以前からの精神的ストレスによるED(勃起不全)は多くとりあげられてきました。しかし過度のストレスに関しても別の報告があります。PTSD(心的外傷後ストレス障害)は最近よく耳にするようになりましたが戦争体験者はこの症状が顕著に表れる傾向があります。ベトナム戦争経験者は非常に多くの人数がこのPTSD(心的外傷後ストレス障害)にさいなまれることが報告されています。性的な欲求の減少が約30%の兵士に見られることがわかり帰還後も多くの人がED(勃起不全)を発症していることがわかりました。EDの症状の中には心因性EDが非常に比率を高めていますが年齢はあまり関係がなく健全な若年層の男性でも発症してしまいます。戦場で命の危険をさらして過ごした兵士は非常に高いレベルでのストレスを受けています。ED治療薬(バイアグラ・シアリス・レビトラ)を使用しての治療も進められましたが加齢などのEDとは違い改善率は高くはありません。心因性EDの原因としてPTSD(心的外傷後ストレス障害)は抑圧が強い為、外的な治療よりメンタルカウンセリングが重要となっており改善には非常に多くの時間を要するようになります。

実際にED治療薬(バイアグラ)を服用した場合とプラセボ(偽薬)を服用した場合では効果に大きな違いはなく改善率は共に10%前後と思ったような効果は得られませんでした。バイアグラ自体は効果のある治療薬ではありますが心因的なED(勃起不全)には期待される効果は望めないこともわかってきました。PTSD(心的外傷後ストレス障害)患者はEDを直接的に治療するのでなくPTSD自体を治療することが改善の近道であると言われています。戦争帰還者は家庭問題などに多くの問題を抱えることがあります。精神的なサポートを続けていくことが今後の人生設計においてもED治療においても大切であると言われています。

 

参考文献: 新宿ライフクリニック http://www.life-cl.com/paper/topic081.html