2017/06/15

本能と相反するED

精神的な疲労からくるED

男性女性に関わらず現代社会では過度なストレスを受けながら日々生活をしている人が大勢います。成人男性は職場や家庭で様々な精神的な圧力を受けていることが多いです。特に顕著なうつ病などの精神疾患が無くても日常生活のなかでの人間関係や職場・仕事のストレス・労働環境の変化などで肉体的はもとより精神的な疲労が蓄積されてきます。年齢が若い20代30代であっても精神的なダメージは生殖機能に影響を及ぼします。性的本能が強い年代であっても自分自身のコントロールが難しくなり性的興奮を正確に下半身(陰茎部)伝達できなくなってくるのです。身体の疲労と相反して無意識に勃起が起こる現象もありますが、逆に性的興奮は受けているにもかかわらず精神的な疲労で勃起しない事もあります。自分自身では勃起から性行為を望んでいるが思うように行為が行えない心因性のEDは増えています。日々の脳裏から離れない悩みは少しずつ神経に負担をかけてしまいます。また失恋やパートナーの別れ、夫婦間の不仲、家族問題(親族・親兄弟)でED(勃起不全)になる可能性があります。一見男性器への影響はないと思われがちですが神経伝達とは非常にデリケートにできており蓄積された心労は思わぬところで露出してしまいます。
仕事で積み重なれた些細な失敗や自信を喪失する出来事、またその後もずっと後に記憶として残る(頭から離れない)と勃起以前に脳自体が性的興奮を覚えなくなってきてしまいます。これを現実心因からくるEDとして治療の対象となっています。

■心と身体が相反する勃起不全

男女共に共通することではありますが、性行為には特別な思い入れが生じます。男性はパートナーと初めての性行為に関しては特有の精神的なメカニズムがあります。女性パートナーに対し自分が良く思われたい、男らしいとみてもらいたい、格好よく見られたいそして性行為も良く思われたいと自分自身に圧力を知らず知らずのうちにかけてしまいます。その結果実際にはパートナーに対して非常に性的興奮を感じているにも関わらず性行為そのものに集中できずに、勃起がいつも通り行えない状態になります。意識と相反する身体の反応に焦りを感じてしまい、加えて焦れば焦るほど本来の勃起力はどんどん低下して勃起不全になってしまうといったことが起きます。特にパートナーとの初めての性行為は男性本来の生殖機能の反応が特に強くなり性的興奮は非常に高くなります。その状態で勃起力が低下するとは考え難いと思うかもしれませんが男性にかかるプレッシャーとは思わぬところで表れてきます。

■性行為を円滑に行うために

初めてパートナー同士が性行為を行うことにおいてED治療薬を使用するケースも増えてきていますが根本的な原因はお互いに心のコミュニケーションが取れていないことが起因します。しかしお互いに時間が経過するともに徐々に落ち着きを取り戻してきます。良く思われたい(本来の自分ではない姿を見せようとする)必要が無いことに気づき性行為の時に緊張することも少なくなり落ち着きを取り戻してきます。つまり心配することよりも時間が解決してくれるといった意識を持つことが大切です。基本的に医療機関などでED治療薬を処方してもらわなくてもお互いの気持ちの疎通が取れれば自然と性行為は行えるといっても良いでしょう。それでもまだ緊張感が持続してしまい勃起がうまくできないときにはクリニックで比較的軽度の精神安定剤を処方してくれます。特に依存性もないといわれており、性行為をうまく行う為のきっかけとして使用することが一般的です。またリラックス効果をもたらす少量のアルコールも効果的で精神安定作用を期待することができます。