AGA（男性型脱毛症）は多くの男性が悩む進行性の脱毛症であり、その治療法として内服薬や外用薬が広く用いられています。
代表的な治療薬には、フィナステリド（プロペシア）、デュタステリド（ザガーロ）、そしてミノキシジル（内服薬・外用薬）があります。
これらの薬剤はAGAの進行を抑制したり、発毛を促進したりする効果が科学的に認められていますが、同時に副作用のリスクも存在します。
AGA治療を検討している方にとって、「副作用」は大きな懸念材料の一つでしょう。
インターネットで検索すると様々な情報が見つかりますが、その情報の正確性や網羅性はまちまちです。
この記事では、各AGA治療薬の副作用について、種類、発生確率、原因、具体的な症状、そして適切な対処法まで解説します。
また、副作用と間違えやすい「初期脱毛」や、安易な利用が危険視されている「個人輸入」についても触れ、安全にAGA治療を進める方法を記載しています。
この記事を読むことで、AGA治療薬の副作用に関する正確な知識を身につけ、不安を解消しご自身に合った治療法を選択するために役立ててください。
AGA治療薬の主な種類
AGA治療に用いられる主な薬剤は、薬の効き方の仕組みによって大きく分けられます。
副作用を理解するためにも、まずはこれらの薬剤がどのようにAGAに作用するのかを知っておくことが重要です。
1. フィナステリド（プロペシア）
フィナステリドは「5α-還元酵素II型」の働きを阻害する薬剤です。
これは、テストステロン（男性ホルモン）がAGAの原因物質ジヒドロテストステロン（DHT）に変換されるのを触媒する酵素です。
フィナステリドの使用によってDHTの生成が抑制されることで、ヘアサイクルの成長期が短縮されるのを防ぎ、抜け毛の進行を遅らせる効果があります。
プロペシアが先発薬であり、フィナステリドはそのジェネリック医薬品です。
2. デュタステリド（ザガーロ）
デュタステリドは、フィナステリドと同様にDHTの生成を抑制しますが、5α-還元酵素のI型とII型の両方の働きを阻害するという違いがあります。
これにより、フィナステリドよりも強力にDHTを抑制すると考えられており、進行したAGAに対しても効果が期待される薬剤です。
ザガーロが先発薬です。
3. ミノキシジル（内服薬・外用薬）
ミノキシジルは、フィナステリドやデュタステリドとは異なり、血管を拡張させる作用を持つ薬剤です。
この作用によって頭皮の血行が促進されるため、毛母細胞に栄養や酸素が行き渡りやすくなり、発毛を促進する効果があります。
ミノキシジルには、頭皮に直接塗布する外用薬と、内服するタブレット（内服薬）があります。
日本ではミノキシジル内服薬はAGA治療薬としては承認されておらず、基本的には医師の判断のもと、自由診療で処方されます。
これらの薬剤は、それぞれ異なるメカニズムでAGAにアプローチするため、期待できる効果や現れる可能性のある副作用の種類、頻度にも違いがあります。
AGA治療薬の主な副作用とその詳細
AGA治療薬には様々な副作用が報告されていますが、発生頻度は比較的低い傾向にあります。
多くの場合、副作用が発生しても軽度または中程度であるとされています。
しかし、どのような副作用があるのか、事前に把握しておくことは重要です。
ここでは、主要なAGA治療薬であるフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルについて、報告されている主な副作用を詳しく見ていきましょう。
性機能に関する副作用
フィナステリドやデュタステリドといった5α-還元酵素阻害薬は、男性ホルモンに作用するため、性機能に関する副作用が比較的多く報告されています。
- 性欲減退（リビドー減退）
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性欲が低下する症状です。
- フィナステリド
臨床試験において、0.2mg投与群で1.5%、1mg投与群で1.1%に認められました。
オルガノン株式会社が製造販売するプロペシア錠の添付文書によると、1〜5%未満の発生率とされています。
参照：プロペシア錠添付文書-オルガノン株式会社 - デュタステリド
臨床試験において、3.9%に認められました。国内長期投与試験では8.3%でした。
フィナステリドと同等かやや高い発生頻度とされています。
参照：プロペシア錠添付文書-オルガノン株式会社 浜松第一クリニック
- フィナステリド
- 勃起機能不全（ED）
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勃起しにくくなる、あるいは維持できなくなる症状です。
- フィナステリド
臨床試験において、0.2mg投与群で1.5%、1mg投与群で0.7%に認められました。
プロペシア添付文書によると、1〜5%未満の発生率とされています。
DMMオンラインクリニックのデータでは0.7%でした。
参照：プロペシア錠添付文書 DMMオンラインクリニック - デュタステリド
臨床試験において、4.3%に認められました。
国内長期投与試験では10.8%でした。
フィナステリドと同等かやや高い発生頻度とされています。
参照：浜松第一クリニック プロペシア錠添付文書
- フィナステリド
- 射精障害、精液量減少
-
射精に関する問題や、精液の量が減る症状です。
- フィナステリド
精液量減少は臨床試験で1%未満でした。
プロペシア添付文書によると、射精障害は1%未満、精液量減少は1〜5%未満とされています。
参照：プロペシア錠添付文書 - デュタステリド
臨床試験において、精液量減少が1.3%に認められました。
国内長期投与試験では射精障害が4.2%でした。
参照：プロペシア錠添付文書 銀座みゆき通り美容外科
- フィナステリド
- 睾丸痛
-
睾丸に痛みを感じる症状です。
デュタステリドで報告されています。
これらの性機能に関する副作用は、DHTが男性の性機能にも関与しているためと考えられています。
通常、薬の服用を中止することで症状は改善することが多いですが、稀にPFS（ポストフィナステリド症候群）として持続するケースも報告されています。
精神的な副作用
フィナステリドやデュタステリドの服用により、精神的な変化が報告されることがあります。
- 抑うつ症状
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気分が落ち込む、憂鬱になるなどの症状です。
フィナステリド、デュタステリドともに報告があります。 - めまい
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ふらつきや立ちくらみなどの症状です。
フィナステリドで報告があります。
抑うつ症状の原因はまだ完全には解明されていませんが、DHTの低下が脳内の神経伝達物質に影響を与える可能性などが研究されています。
肝機能に関する副作用
AGA治療薬は体内で代謝される際に肝臓に負担をかける可能性があり、肝機能障害が報告されています。
- 肝機能障害（AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、黄疸など）
-
肝臓の機能を示す数値が悪化したり、皮膚や白目が黄色くなる黄疸が現れたりする症状です。
- フィナステリド：発生頻度は決して高くありませんが、体質や元々の肝機能の状態によっては現れる可能性があります。
- デュタステリド：発生頻度は1.5%程度と言われています。
長期使用によって肝機能が低下するリスクも指摘されています。 - ミノキシジルタブレット：稀に肝機能障害が起こり得ると報告されています。
日本皮膚科学会も注意喚起しています。
特に、元々肝機能に問題がある方や、他の薬剤を服用している方は注意が必要です。
定期的に肝機能検査を受け、これらに影響がないか確認すると安心でしょう。
循環器に関する副作用（特にミノキシジル内服薬）
ミノキシジルは元々高血圧治療薬として開発された経緯があり、特に内服薬（ミノキシジルタブレット）では血管拡張作用に伴う循環器系の副作用が報告されています。
- 動悸、息切れ
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心臓の拍動が速くなったり、呼吸が苦しくなったりする症状です。
- 低血圧、立ちくらみ
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血圧が低下し、めまいやふらつきを感じる症状です。
- むくみ（浮腫）
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顔や手足などがむくむ症状です。
- 心臓への負担
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長期的な服用により、心拍数の増加、不整脈、さらには心筋肥大や心不全のリスクを高める可能性が指摘されています。
これはミノキシジルの血管拡張作用により心臓がより多くの血液を送り出す必要が生じるためと考えられています。
電解質バランスの変動も心臓の拍動リズムに影響を与える可能性があります。
ミノキシジル外用薬は局所的な作用が中心のため、内服薬に比べて循環器系の副作用のリスクは低いとされています。
高血圧や低血圧、心臓に持病がある方は、ミノキシジル内服薬の服用には特に慎重な検討が必要です。
皮膚に関する副作用（特にミノキシジル外用薬）
ミノキシジル外用薬は頭皮に直接塗布するため、塗布部位に皮膚のトラブルが発生することがあります。
- 頭皮のかゆみ、かぶれ、発赤、湿疹
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頭皮に炎症やかゆみが生じる症状です。
ミノキシジル外用薬の代表的な副作用です。
その他の副作用
上記の他にも、様々な副作用が報告されています。
- 多毛症
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頭部以外の体毛が濃くなる症状です。
ミノキシジルの発毛促進作用が全身に影響することで起こり得ます。
ミノキシジル内服薬で最も多く見られる副作用の一つです。 - 乳房に関する副作用
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乳房の痛みや腫れ、乳房の肥大（女性化乳房）などが報告されています。
フィナステリドやデュタステリドで報告があります。 - 過敏症（じん麻疹、発疹など）
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薬に対するアレルギー反応として、皮膚にじん麻疹や発疹が現れることがあります。
- 味覚異常、腹部不快感、倦怠感、下痢
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デュタステリドで1%未満の頻度で報告されています。
- 血清PSA濃度の低下
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フィナステリドやデュタステリドは前立腺特異抗原（PSA）の値を低下させる作用があるため、前立腺がん検診を受ける際には注意が必要です。
薬を服用していることを必ず医師に伝える必要があります。
副作用の発生頻度は個人差が大きく、また服用する薬の種類や用量によっても異なります。
ほとんどの副作用は軽度で、薬を中止すれば改善するとされています。
ポストフィナステリド症候群（PFS）について
フィナステリドを主成分とするAGA治療薬の服用を中止した後も、性機能障害や抑うつなどの副作用が持続する症状が報告されており、「ポストフィナステリド症候群（PFS）」と呼ばれています。
PFSのメカニズムはまだ完全には解明されておらず、確立された治療法も見つかっていません。
症例報告はありますが、その発生頻度やフィナステリドとの明確な因果関係については、さらなる研究が必要です。
日本の厚生労働省も、プロペシア錠やそのジェネリック医薬品の添付文書に「投与中止後も持続したとの報告がある」という一文を追加し、注意喚起を行っています。
PFSは稀なケースとされていますが、このような症状が起こりうる可能性についても理解しておくことが、後悔のない治療選択のために重要です。
副作用が出た場合の対処法
万が一、AGA治療薬を服用中に副作用が疑われる症状が現れた場合、最も重要なのは自己判断で服用を中止せず、すぐに医師に相談することです。
症状が軽いからといってそのまま服用を続けたり、勝手に薬の量を減らしたり中止したりすると、症状が悪化したり、AGAの治療効果が得られなくなったりする可能性があります。
医師に相談することで、現在の症状が本当に副作用なのか、他の原因によるものなのかを正確に判断してもらうことができます。
副作用であると診断された場合、医師は症状の種類や程度、患者さんの健康状態などを考慮し、以下のような適切な対処法を検討します。
- 減薬
- 休薬
- 薬剤の変更
- 対症療法
医師は、副作用のリスクとAGA治療の効果のバランスを考慮しながら、患者さんにとって最適な治療計画を一緒に考えてくれます。
安心して治療を続けるためにも、医師との密な連携が不可欠です。
副作用のリスクを減らすための対策と注意点
AGA治療薬の副作用リスクを可能な限り減らし、安全に治療を進めるためには、いくつかの重要な対策と注意点があります。
- 1. 医療機関での正確な診断と処方
- 2. 用法・用量を厳守する
- 3. 定期的な健康チェックと医師とのコミュニケーション
- 4. 服用してはいけない人・注意が必要な人
- 5. 生活習慣の見直し
1. 医療機関での正確な診断と処方
最も基本的かつ重要なのは、AGA治療を始める前に必ず専門の医療機関を受診し、医師の正確な診断を受けることです。
- 薄毛の原因特定
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薄毛の原因はAGAだけでなく、他の疾患による可能性もあります。
医師の診断により、薄毛の原因がAGAであるかを確定し、適切な治療法を選択しましょう。 - 既往歴・健康状態の確認
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持病やアレルギー、現在服用している他の薬剤などを医師に正確に伝えることで、副作用のリスクが高い薬剤を避けたり、適切な用法・用量を調整したりすることができます。
特にこれまで紹介した肝機能障害や心血管系の疾患がある方は、必ず医師に申告してください。 - 正規の薬剤の処方
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クリニックで処方されるAGA治療薬は、厚生労働省の承認を受けた国内正規品であり、品質や安全性が厳格に管理されています。
偽造品や粗悪品のリスクがなく、安心して服用できます。 - 用法・用量の指導
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医師から適切な用法・用量について正確な指導を受けることで、服用ミスによる副作用リスクを減らすことができます。
2. 用法・用量を厳守する
医師から指示された用法・用量、服用タイミングを必ず守ることが重要です。
自己判断で増量したり、不規則な時間に服用したりすることは、副作用のリスクを高める可能性があります。
飲み忘れた場合も、2回分を一度に服用せず、次の服用時間に1回分だけ服用するようにしてください。
3. 定期的な健康チェックと医師とのコミュニケーション
AGA治療は長期にわたることが多いため、定期的に医療機関を受診し、医師の診察を受けることが推奨されます。
定期的な診察では、血液検査（特に肝機能検査）などを通じて、自覚症状がない副作用の初期兆候を早期に発見できる可能性があります。
また、治療の効果が現れているか、副作用が出ていないかについても医師が丁寧に評価し、必要があれば薬剤の種類や用量の調整を行います。
さらに、服用中に気になる症状や不安があれば、遠慮せず医師に相談しましょう。
医師との良好なコミュニケーションを保つことが、安心して治療を継続するための大きな支えとなります。
4. 服用してはいけない人・注意が必要な人
AGA治療薬には、服用が禁忌とされている人や服用に注意が必要な人がいます。
- 女性
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フィナステリドやデュタステリドは、男子胎児の生殖器の発達に影響を及ぼす可能性があるため、特に妊娠中や授乳中の女性は服用してはいけません。
また、薬剤に触れることも避ける必要があります。
女性の薄毛には、男性とは異なる原因や適した治療法があるため、女性専用のクリニックで相談することが重要です。 - 未成年者
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フィナステリドやデュタステリドは、未成年者における有効性及び安全性は確立されていません。
- 重度の肝機能障害がある人
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肝臓で代謝される薬剤（フィナステリド、デュタステリド）は、重度の肝機能障害がある場合、副作用が強く現れる恐れがあります。
- 特定の薬剤を服用している人
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他の薬剤との相互作用により、副作用のリスクが高まる場合があります。
現在服用している全ての薬剤を医師に正確に伝えてください。
5. 生活習慣の見直し
健康的な生活習慣は、体全体の健康を維持するうえで重要なだけでなく、AGA治療薬の副作用リスクを軽減する面でも間接的に効果が期待できます。
たとえば、禁煙を心がけたり、飲酒を適度に抑えることは、血行の悪化や肝臓への負担を避けることに繋がります。
また、栄養バランスの取れた食事を意識することで、髪の成長に必要な栄養素をしっかりと体内に取り込むことができ、全身の機能を正常に保つ助けにもなります。
無理のない範囲で運動を習慣化することも有効です。運動によって血流が促進され、頭皮や身体の隅々まで酸素や栄養が届きやすくなり、全身の健康維持にもつながるためです。
AGA治療薬の個人輸入の危険性
インターネットなどで海外からAGA治療薬を個人輸入することは可能ですが、これには多くの危険性が伴い、強く推奨されません。
- 偽造品・粗悪品の可能性
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個人輸入で入手する薬剤は、その品質、成分、安全性が保証されていません。
有効成分が含まれていなかったり、規定量と異なっていたり、人体に有害な物質が混入していたりする偽造品や粗悪品であるリスクが非常に高いです。 - 健康被害のリスク
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品質が保証されていない薬剤を服用することで、予期せぬ重篤な健康被害が発生する可能性があります。
- 副作用が出た場合の救済制度対象外
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個人輸入した医薬品による健康被害については、日本の公的な制度である「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となります。
万が一何か起こった際の医療費などが全額自己負担となる可能性があり、経済的なリスクも伴います。 - 用法・用量の誤り
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海外製品の場合、説明書きが外国語のみであるなど、正しい用法・用量を正確に理解できない可能性があります。 間違った服用は、効果が得られないだけでなく、副作用のリスクを高めます。
- 適切な診断・フォローアップがない
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個人輸入では医師の診断や、治療経過に合わせたきめ細やかなフォローアップがありません。 自分の判断で薬を選択・服用することになり、安全性や効果の面で大きなリスクを伴います。
- AGA以外の原因を見逃す
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薄毛の原因はAGAだけではありません。
自己判断でAGA治療薬を使用すると、AGA以外の疾患であった場合に見逃してしまい、適切な治療の機会を失う可能性があります。
これらの危険性を理解し、AGA治療薬を服用する際は必ず医療機関を受診し、医師の処方のもとで入手するようにしてください。
副作用と間違えやすい「初期脱毛」
AGA治療を開始して数週間から数ヶ月の間に、一時的に抜け毛が増える現象が見られることがあります。
これを「初期脱毛」と呼びます。
弱っている古い髪の毛が抜け落ち、新しく健康な髪の毛が生えてくるための準備期間のようなものです。
したがって、初期脱毛は薬が効き始めているサインである可能性が高く、副作用とは異なります。
初期脱毛は、ミノキシジルによる治療で比較的多く見られますが、フィナステリドやデュタステリドでも起こる可能性があります。
一般的には服用開始から10日から2週間程度で始まり、1ヶ月から2ヶ月ほどで落ち着くことが多いです。
人によっては3ヶ月から半年ほど続くケースもあります。
初期脱毛は多くの人が経験する可能性のある一時的な現象であり、治療効果に影響はありません。
しかし、抜け毛が増えることに不安を感じ、自己判断で治療を中断してしまうと、かえってAGAを進行させてしまう可能性があります。
初期脱毛が起きても慌てず、医師に相談し、指示通りに治療を続けることが重要です。
まとめ
AGA治療薬はAGAの進行を抑制し、発毛を促進する効果が期待できる有効な治療法です。
しかし、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルといった主要な薬剤にはそれぞれ副作用のリスクが存在します。
主に、性機能に関する副作用（性欲減退、EDなど）、精神的な副作用（抑うつ）、肝機能障害、循環器に関する副作用（動悸、むくみなど）、皮膚に関する副作用（かゆみ、かぶれ）、そして多毛症などが挙げられます。
これらの副作用の発生頻度は、薬剤の種類や個人の体質によって異なりますが、多くの場合発生頻度は比較的低く、軽度であることが多いとされています。
稀ではありますが、フィナステリド服用中止後に副作用が持続するポストフィナステリド症候群（PFS）の報告も存在します。
副作用が疑われる症状が現れた場合は、自己判断で服用を中止せず、速やかに医師に相談することが最も重要です。
医師は症状を正確に診断し、減薬、休薬、薬剤変更などの適切な対処法を検討します。
安全にAGA治療を進めるためには、必ず専門の医療機関を受診し、医師の正確な診断のもと、正規の薬剤を処方してもらうことが不可欠です。
個人輸入でAGA治療薬を入手することは、偽造品や粗悪品のリスク、健康被害のリスク、救済制度の対象外となるリスクなど、多くの危険が伴うため絶対に避けるべきです。
また、治療開始後に一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」は、薬が効いているサインである可能性が高く、副作用とは異なります。
初期脱毛が起きても慌てず、医師の指示に従って治療を継続することが重要です。
AGA治療薬の副作用について正しい知識を持ち、医師と良好なコミュニケーションを取りながら治療を進めることで、不安を軽減し、安全かつ効果的なAGA治療を目指すことができるでしょう。
薄毛の悩みを抱えている方は、まずは専門のクリニックに相談してみましょう。
